高校物理:磁界を移動する導体棒に発生する誘導電圧について考えました

一様な強さの磁界Bで、導体棒が速度vで移動すると、ローレンツ力により導体棒の両端P-Q間に電圧が発生するという解説や解法がネット上で同じ説明が,何人もの複数の別の先生方により行われています。
 
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奇妙に感じるのは、導体棒は、閉回路を形成しておらず、アンテナの素子のような電磁気学の解析が必要と思われるのに対し、導体棒中の自由電子一個だけに着目して、導体棒に働くローレンツ力を計算し、誘導電圧が現れるという内容です。
この回路は開いた回路なので、導体棒には直流電流が流れることはできませんし、キルヒホッフの電流則、電圧則が適用できません。
 
非常に奇妙な話なので、自分なりに、ファラデーの電磁誘導の法則が適用できるように問題を修正し、導体棒の両端PQ間に発生する電圧を計算しました。
以下の考え方ならば、抵抗成分が0Ωに近い導体棒に電界が発生するという奇妙な話を仮定せずに、ファラデーの電磁誘導の法則を使って、導体棒に発生する誘導電圧が計算できました。
 
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(訂正)
下から6行目から
誤り:V=BIL  , BIL- BIL =0
正 :V=LvB       ,LvB-LvB=0
 
高校の電磁気学も、おそらく輸入された海外文献がベースに日本語に翻訳された過去の書籍や論文に何らかの理解のミスが発生し、それが出回り広まったまま、理論修正がされない状態なのかな??
と感じました。
 
教科書検定に合格していないような教材には、こうした未修正の課題が相当数あるように見ています。
 
用心しないと、せっかく長い時間をかけて勉強しても、間違った知識を授けられてしまい、修正に長い時間と多くのコストを失ってしまいます。