電波が飛ぶとき、空間に電流が流れる学説は本当?

先の記事の「変位電流」について、現在でも、大学の工学部の先生が、電波の正体は、アンテナ素子間の電荷間にできる電気力線が空間に広がり、空間には「変位電流」として電流が流れる、と説明されています。

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引用元:国内大学の先生による電波発生の説明動画を引用し、見える化のアニメを自作しました。
 
これもおそらく海外文献輸入時の誤訳で、「変位電流」displacement current という用語を文字通りに誤解して、
「電波は、空間に電流が流れる。」
と間違って日本語に誤訳し、それが元になって、江戸時代後期の英国マクスウェルさんの電磁波理論を誤って理解したかもしれず、下手をすると、その誤りを現在までそのまま約200年もひきついでいるようなことはないでしょうか?

コンデンサの交流・高周波電流は実際は極板間を電子が移動しない絶縁体であると同様に、空間(空気または真空)も絶縁体で電子は移動できず、空間内の「変位電流」displacement currentとは、要するに、電界強度の変化率を意味していると思われます。

電磁気学や電気・電子の文献は、海外から輸入されたらしく、おかしな誤訳や誤った理解が、現在でもたくさん、工学関係の専門書に修正されないまま残っている印象を受けています。

電気工学でも、「無効電力」も "reactive power"[1] の誤訳が良く話題になるようです。
できるだけ早めにそうした昔の誤訳を直し、用語、理論を統一する努力が必要と思いますが、現在、誰もやってないんじゃないかな?と思います。

疑似科学と思われるような、うわべだけの理解で、自然科学の法則の本質にふれないような、わかりやすい受けの良い解説だけを続ける慣習を続ける文化も見直す必要があるような・・・。

情報の受け売り報道、コピペ(むかしからの切り貼り)文献の出版は、文化を劣化させるので、自分で(法則や仕組みを)考え、それらを実験等で立証する文化を身につけないと、いけないような・・・。(学校で習ってないです。)

高校生のとき、アンテナの専門誌にアンテナの原理図が書かれていて、その図が、記事中のアンテナの電気力線の図とほとんど同じだったことを思い出しました。
 
その専門誌では、コンデンサの2枚の極板間に電気力線が束(タバ)になって繋がって書かれていて、その2枚の極板を扇のように広げると、電気力線が同心円上に広がる、これがアンテナだ、という説明でした。
思い返すと、この説明も上の説明も、正電荷(正孔)〜負電荷(電子)間を電気力線が結んでいるという考え方そのものが基礎から誤りだったのだと思います。

アンテナ中心部では、高周波電圧源の電圧単振動がおこる電圧波の派源になっていて、その高周波電圧波が、アンテナの長さに共振して、電波の電圧波が、アンテナ導線上を概ね光の速さで移動している。
そのアンテナ周辺の電界、磁界の直交した強度変化が、単振動の平面波として空間に放射される、今ではおおまかには、こんな感じでイメージしています

 
 [1]無効電力 JEEEさん(Respective Copyright)