従来型(つぶし合い)DX交信に向かないFT8デジタル変調特性

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FT8デジタル変調の同期信号[1]

FFT処理で例えば7種の音階を160mS間にサンプリング周波数192kHz(192k 回/秒)でAF信号をサンプリリングし、かつFFT処理によるノイズ除去(目的信号周波数を周辺ノイズから分離し突出させる処理)の処理をすると仮定する。


すると、一番強い振幅電圧の周波数の音が残り、他の弱い信号は、ホワイトノイズ成分と同様に、ノイズとして除去されるように動作してしまう可能性がある。
1:1の通信では微弱信号の通信に好適に設計されたFT8でも、1:多の通信には向かない課題がありそう。


国連のアマチュア局4U1UNが世界中から呼ばれパイルアップになったという。
FT8 の設計思想と方式を何も知らされてない無線家は、パソコンを無線機につないで使うだけのエンド・ユーザのようなオペレータとなってしまい、結果的に、交信したくて出力を大出力に上げる賢明でないパワーアップ競争が起きている印象です。
プロトコル変更が必要でしょうか・・・?

costas array の同期信号は、一つの160mS時間区間に一つの音程の音が入り、かつ、7つの音階が連続するシーケンス。これ故、多くの局が同時に呼び出しを行うと、同一周波数上に、7種全部の音階がすべて混じった状態で、これでは受信側で同期信号を分離して受け取れなくなってしまうと考えられる。

FT8はDX pedition modeはあっても、パイルアップとなるような通信の応用には適しておらず、そうしたFT8の弱肉強食特性を、送信するホスト局も、呼ぶ側のコール局も良く理解して、極力、つぶし合いになるような従来型Dxerの使うような電波の使い方をせずに、せっかくの微弱な電波通信に適して設計されたFT8を台無しにせずに、賢く使えるようになれたらと思う。

Reference:

[1]"Synchronization in FT8" M.P. Hasselbeck, WB2FKO

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