USB -> RS-232C 信号線制御の簡単な原理

 

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FT-8 でのパソコンと無線機の接続方法 (JF1RPZ/JN3TMW出田様 開示資料より引用)

FT-8 を利用するパソコンのUSBインタフェイスは、2線式の信号線ケーブルであるため、普通に考えると、Txd, Rxd の2本に割り当てると、従来のシリアルインタフェイスであるRS-232CのER(DSR), DR(DTR), RS(RTS), CS(CTS) 制御信号の割当はできなくなってしまう。

 

しかしながら、パソコン側のアプリの WSJT等は、ER線のアサート/ネゲート、RS線のアサート/ ネゲートができている。

 

どうやって、そうした従来のRS-232Cの持っていた信号線制御をしているのかが、不明だった。

もしかしたら、USB to Serial変換IC(CP210x, FT231x等)は、モデム接続用のプロトコルのATコマンドに、そうした信号線制御をできる拡張コマンドがあるのでは? と考えた。

 

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USB−シリアル IF 変換ケーブル製品例(CP210x, Silicon Labs 様サイトより引用)

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USB - シリアルI/F 変換 製品例(FT231X   秋葉原 秋月社殿より引用)

調べたところ、USB接続のモデム製品では、「データ・モード」、「コマンド・モード」が切り替えて使えるプロトコル仕様が見つかった。

その中に、拡張ATコマンドとして、ER線のアサート/ネゲート、RS線のアサート/ ネゲートができるものが見つかった。

なるほど、USB to Serial変換IC(CP210x, FT231x等)は、モデム用の論理プロトコルとして、ATコマンドにそれらの信号線制御を実装していたことがわかった。

 

パソコンからRS-232C端子が無くなり、USB端子だけに置き換わっているが、従来あった、そうしたRS-232Cの信号線制御は、拡張ATコマンドでできるようになっていた。