オープン回路でのファラデーの電磁誘導の計算

電流が流れられないようなオープン構造の回路で、電磁誘導による誘導電圧を実験で測定するのは著しく難しいです。電圧計のインピーダンスは高いものの、全く電流を流さないで電圧を測定することは不可能に近いからです。

 

・ワンターン・コイルに磁石を近づけたり 離す場合

・Nターン・コイルに磁石を近づけたり 離す場合(N≧1)

・Nターン・コイルを磁石の磁界内で回転するモータの場合

 

・・・いずれの場合も、これらに発生するコイルの誘導電圧を測定するには、電圧計なり、オシロスコープのプローブ端子で、閉じたループの閉回路を持たざるを得ません。

 

しかし、こうした、電圧計やオシロスコープを接続しない、開いたオープン回路の場合、電流が流れないところの、コイルの両端には、誘導電圧は発生するのでしょうか?

 

オープン回路でのファラデーの電磁誘導の計算(LTspice)

このシミュレーション計算では、コイルL2はオープン状態ですが、計算結果では、誘導電圧が発生しています。端子 P1, P2の電圧は全く同じ電圧です。

コイルに流れる電流はpAで-12乗のオーダですので0Aと近似、電流は流れていない、として良いようです。

 

実測による確認は極めて困難ですが、この計算が正しいならば、ファラデーの電磁誘導の法則は、オープン状態のコイルでも成り立つと考えなければならないようです。

 

オープン状態のコイルに電圧が発生?!・・・どうも本当らしい

※ただし、よーく見ると、磁力線の図は、磁力線がコイルの外に出てしまうと、ファラデーの電磁誘導の式 V = -NdΦ/dt, Φ=BS が成り立たない図になってしまうので、説明に関する磁力線がすべてコイル断面内を通過するように、描画に修正要のようです。

磁力線の密度B、本数はコイル断面の先端、後端で一定の仮定が多いが、実際は磁石極の周辺や距離のある場合は、磁束密度Bは一般には一定ではないと言えます。